お客様にぴったりの足袋を届ける粋な計らい

「大野屋總本店」では、オーダーメイドのほか、形の決まった既製品も販売されている。「同じサイズでも、細いものからゆったりとしたものまで4種類ご用意しています。極細の『細』、細めの普通足袋『柳』、ややゆったりした『梅』、ばんびろ甲高の『牡丹』の4種類。みんな祖父が名前をつけたんです」。

大野屋が装束仕立て屋から足袋屋として認知されてきたのも、この粋な5代目の頃からだという。「祖父はなかなか洒落た感覚の人で、『舞えば足もと、語れば目もと、足袋は大野屋新富形』なんていう都々逸も作りまして、足が細く見える足袋をアピールしていたのです」。都々逸は購入時の包装紙や店内ののれんにも綴られていて、今でも店のキャッチフレーズになっている。

足袋選びのポイントについては、「靴の場合は遊びがあったり大きめでも良かったりしますが、足袋は中で余るとダボダボになって格好悪いので、なるべくシワなくフィットするものがおすすめ」とのこと。

それでもどれを選ぶかはお客様次第。「ぴったりした足袋がお好きな方もいらっしゃいますし、ゆったりしていて長時間履いても疲れないものがいいという方もいます。それぞれのお客様の用途やご要望をしっかりお聞きして、それにお応えできるぴったりの足袋をご提案するようにしています」。初めて足袋を購入する際はお店で試着し、じっくりと相談に乗ってもらうのが良さそうだ。

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