人気商品「名入れ」桐箱の誕生は、若き書道家との出会いから

「日本橋さるや」の店頭には各種楊枝、絵柄の入った桐箱や色とりどりの楊枝入れなど、思わず手に取りたくなる商品がずらりと並ぶ。『大入』箱などの柄はお客様の要望からデザインしたことも。干支シリーズは毎年新しいイラストで展開されている。

「飲食店や和菓子屋で使われているのか、楊枝を束でたくさん買っていかれる方もいらっしゃいますし、桐箱入りのものを手土産やお年賀の配り物としてお求めになる方も多いです。海外からのお客様も多くいらしていましたね」と山本さん。

贈答用の中でも人気なのは種類豊富な可愛らしい楊枝入れや、名入れの桐箱。「一番人気は名入れかな。オーダーメイドの品を作りたいという人が増えている印象です。こだわりを持って選んでくださる方が多いです」。世界で一つだけの商品が作れる名入れのサービスに文字数の制限はなく、英語や会社名、長めのメッセージを入れる方も。

名入れの作業を一手に引き受ける書道家の内山崚さんとは、同じく日本橋で老舗弁当屋を営む「弁松総本店」社長の紹介で知り合った。
「『ダンサーで書道家の面白い子がいるよ』と紹介してくれて。じゃあ『桐箱に何か書いてみる?』と始めて、もう5年くらいになります。それまでは名入れのサービスはなかったので、良い出会いでしたね」。

気持ちの良い筆運びで瞬く間に書き上げ、最後に自身の作品であることを示す落款印を押す。印の意味を尋ねると、名前の「内山崚」、雅号である「青崚」、そしてダンサーであることを示す「舞踊」。三点押しは作品として最高級の証だ。
手削りの銘品楊枝とともに書道家の作品を手元に置ける特別感はここでしか味わえない。

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