定番もトレンドも幅広く押さえる、ファッションとしての扇子

400年以上の歴史を誇る団扇と扇子の老舗『伊場仙』。そのデザインには洋服と同じく、毎年ファッション界のトレンドを組み込んでいる。「色の流行は意識しますね。来期のトレンドがブルーでしたら、ブルー系の扇子や団扇を作るようにはしています」。

団扇や扇子において、瓢箪柄やトンボ柄など、縁起が良いとされる柄を目にする機会が多いだろう。「トンボは前にしか進まない虫で、羽化をして出世をしていくので縁起が良いとされています。『勝ち虫』とも言われ、武将の兜にトンボがあしらわれていることもあるんです。あとは馬が9頭で『馬九行く(うまくいく)』という柄も。江戸は縁起を気にする風習が根強いので、験担ぎのためにそういった柄を持ってくださる方も多いです」。

六つの瓢箪で『無病(六瓢)息災』にかけたこちらも人気商品の一つ。「毎年紙や布を変えて新作を出していますが、定番の柄はずっと作り続けると思いますね。今年は新しく藍染の商品を出して、団扇も扇子も人気でした。男女問わず使えるし、日本の浴衣には紺色が多いので、よく似合います」。

扇子のプロである吉田さんに、使い方についてアドバイスをいただいた。「団扇と違って扇子の場合はしとやかに使って欲しいと思っていますね。扇ぐ時には大きくバタバタするのでなく、においが外に広がらないよう、扇を自分の体と平行にし、下から上に向かって軽く風を送るように扇ぐ。これがエチケットだと思います。仕草としても上品になりますよね」。持っているだけで上品さを演出できる扇子。使い方も意識してみてはいかがだろうか。

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