全ての人に誠実に。丁寧なものづくりで応え続ける
3000種類もの刷毛とブラシを製造・販売している「江戸屋」。絵の具や漆を塗るなどのものづくり、清掃や洗浄、化粧や歯磨きなどの身支度まで、刷毛は様々な役割を果たす。「道具なので、使う人にとっての使い心地の良さだとか、刷毛を使って仕上がった製品が良いものになるかことが一番大事だと思います。また要望があれば今までにない商品ももちろん作っていきたいですね」。必要とする人がいる限り、その手を止めることはない。
常にお客様の要望に応える形で新しい商品を開発し続けてきた。「何十年も前のことですが、店の前にホテルがあった頃に中国の方がずっと滞在していまして、自動車のエンジンを作る時のブラシを頼まれて、随分見本を作ったんですよ。また次の年も来てこういうブラシを作ってくれって言うんですけども、去年作ったブラシはうちに注文来ないんですか?と聞いたら、江戸屋さんで作ってもらったブラシを見本にしてうちの国で作るんです、と。そういうこともありましたね(笑)。日本でも今は中国製のブラシもかなり輸入されていますので、一つの発展のお手伝いになったんじゃないかと思っています」。
地域に根ざして300年。長く続けてこられた秘訣はどこにあるのだろうか。「誠実に良い品物をご提供する、それだけですね。良いものを作ればお客様が喜び、売れれば職人さんもその分潤う。皆さんが喜んでいただけて、それが継続していくことが商売として大切だと思います。工夫して、誠実にご奉仕するというのが社訓です」。全ての人に誠実に向き合い、より良い未来へと繋げている。