品質の維持が要。手を抜かず、丁寧に作り続ける
「大野屋總本店」で足袋作りに関わる職人は現在5名ほど。型紙作り、裁断、縫製、仕上げなど、製作工程は細かく役割分担されている。「うちの場合は各工程を複数の職人で分業しているのですが、いつも買ってくださるお客様に同じ品質のものを提供できるよう、同じ人間が同じ工程を担当しています。手が変わると縫い方が変わってしまうこともありますのでね」。お客様の使い心地を第一に考えての役割分担だ。
「使って良かったよ、って言っていただけるのはうれしいですね。こだわりを持って良いものを求めて来られるお客様に満足していただけるよう、手を抜かずに品質の高いものを作り続けていきたいです」。品質の維持のためには、丁寧な作業に加え、丁寧な検品も欠かせない。「工程ごとに役割分担していますから、前の人の仕事を次の工程の人が確認するようにしています。流れ作業で作って、確認もリレーのように行います」。
一点一点手を抜かず、工芸品としての足袋作りに誇りを持って取り組んでいる。「日本でこんなものづくりをしているんだ、っていうことを知ってほしいですね。今は色々なものが人件費の安い国で大量生産していることも多く、丁寧に昔ながらのものを作るという文化が失われつつあると思います。足袋を通じてそういうものの良さを知っていただいて、価値を見出していただけるといいなと思います」。職人の手作業で丁寧に作られた足袋。ぜひ一度試してみてほしい。